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2)理想とする子供の救
いわゆる「超過出産」(ExcessFertility)とは、理想とする子供の数を超えて出産することを言う。自由に出産が抑制できる社会においては、出産数と理想とする子供の数は非常に接近するはずである。台湾の22〜39歳の有配偶女子が理想とする子供の数は、1965年には平均4人(台湾省家庭計画研究所調査)であったが、社会状況の変化と家族計画の教育等の浸透等によって、1970年には3.8人、1976年には2.9人、1980年には2.8人、1985年には2.6人、そして1991年には2.4人に減った(表1−2を参照)。

表1−2 台湾の22〜39歳有配偶女子教育程度および居住地都市化程度別理想子供数と避妊実行率の年次変化

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資料:台湾省家庭計画研究所各年次のKAP調査。
しかし、理想とする子供の数も、社会階層によって異なる。表1−2に示すように、1961年当時、無学の女子が理想とする子供の数は4.1人であったが、高等学校以上の教育を受けた女子の理想子供数は3.2人で、0.9人の差があった。居住地の都市化の程度別にみても、傾向は同じで、郷村に居住する女子の理想子供数は4.2人、一方、省轄市および直轄市に居住する女子の理想子供数は3.7人で、0.5人の差があった。この差は、1991年に至ってもそのまま維持され、教育程度別の差が0.8人で、居住地の都市化程度の差が0.4人と、あまり変わっていない。これは、各社会階層の理想子供数は一様に減ったが、その下降速度がほぼ同じであったためである。

 

 

 

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